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欧州フライト欠航時の補償申請:EU261法で€250払戻す方法

欧州のフライトが欠航や遅延になったときの航空会社への補償申請方法を、easyJet欠航の実体験を基にご紹介します。フライト欠航、遅延時の航空会社の補償はEUの法律で定められており、申請すれば規定額の補償が受けられます。

フライトが突然の欠航!

予約していたフライトは、次のとおり。

  1. 12:30 エディンバラ→13:50 ロンドン・スタンステッド(easyJet)
  2. 16:00 ロンドン・スタンステッド→19:00 ミラノ・ベルガモ(Ryanair)

easyJetもRyanairもそれぞれ公式サイトから最安値で予約。他社間の乗り継ぎ、いわゆる「保証なしの乗り継ぎ」で計画していました。

12:30出発の約3時間前、エディンバラで観光をしていた頃、9:41にeasyJetより次のメールを受信しました。

Dear, …

… we are very sorry that your easyJet flight 234 to STN was cancelled.

(誠に恐縮ですが、あなたのSTN行きeasyJet 234便は欠航となりました。)

代替手段の提案:振替か返金か

そのメールの続きには、次のような手順の指示が記載されていました。

If you still wish to travel to your destination you can:

Transfer your flight free of charge by…

(目的地へのご旅行をご希望の場合は、次の手順で無料で便の変更ができます)

If you no longer wish to travel and require a refund:

Simply, log onto Manage Bookings…

(旅行を取りやめ、返金をご希望の場合は、予約の変更にお進みいただき…)

便の変更を見ると、当日に変更可能な便は無く、翌朝以降の便しかありませんでした。

翌日にはどうしても最終目的地まで移動していなければならなかったため、easyJetに対しては返金を希望し、大慌てで代替の便を探すことにしました。

代替便の手配

この時点で、エディンバラからミラノに当日中に移動できる便はケルン経由ミラノ・マルペンサ行きの11:50発Eurowings便のみ。すでにその便の出発2時間前を切っていたため、背に腹は代えられず即断で予約。返金されるかわかりませんでしたが、easyJetとの交渉でもたもたして乗れなくなるような事態を避けるための決断でした。即時観光を取りやめ空港に直行し、なんとか搭乗しました。

到着空港は目的地のミラノ・ベルガモ空港から約90 km離れたマルペンサ空港。19:50の到着後、空港バスを乗り継ぎ約2時間かけてミラノ・ベルガモ空港に到着したのは22:30頃。本来の予定だった19:00到着から3時間以上の遅れです。エディンバラの観光は途中で終わり、本来不要だったバス移動でへとへとになりましたが、なんとか翌日のスケジュールへ影響することなく、無事に到着できました。

ここまでの移動でかかった費用は、次の通り。

  1. エディンバラ→ロンドン・スタンステッド(easyJet) 約€50→easyJetに返金申請
  2. ロンドン・スタンステッド→ミラノ・ベルガモ(Ryanair) 約€80→搭乗できなかった
  3. エディンバラ→ケルン→ミラノ・マルペンサ(Eurowings) 約€110→代替予約し、搭乗
  4. ミラノ・マルペンサ→ミラノ・ベルガモ(空港バス) 約€10→空港間移動

本来1. と2. の値段だけだったので、easyJetの約€50が返金されたとしても、3. と4. の合計約€120がかかってしまっており、その差額約€70が追加の実費負担となってしまっています。少なくともこの負担分を補償してもらうべく、easyJetに補償申請をしていきます。

EU261法による補償

欧州ではEU261法によりフライトの欠航、遅延に対し、航空会社が乗客に補償をするよう定めています。補償の条件の詳細は、次のサイトなどをご参照ください。

EU261法原文 – EUR-Lex(EU法サイト、英語)– [Link to Document 1 で原文PDF表示]

Flight Compensation Regulation 261 – Wikipedia (英語)

LCCの欠航で飛行機のチケット代を超える補償がもらえた話 EU261法とは – BAOOKUN

今回のケースは、直前の欠航連絡であり代替便が翌朝だったことから、原文のArticle 5.1.c(フライトが欠航し、出発の7日前以降に連絡を受けたが、振替便の到着が予定便より2時間以上遅い場合)に当てはまり、Article7.1.a(1500 km以内のフライトに対し€250の補償)を受ける権利があると思われます。また、Article 9.1.a(待ち時間の食事)やArticle9.2(空港間の移動費)も適用されるのではと思われました。これらをeasyJetに申請していきます。

easyJet補償申請

上記の€250の申請と、食事代、空港間移動費の申請はそれぞれ別ページに分かれています。それぞれ申請していきます。

€250の申請

easyJet-EU261 claim form

Compensation Claim Form – easyJet (英語)

上記申請フォームにアクセスします。予約番号、フライト番号などを入れていきます。

クレームの理由では、「フライトキャンセル」を選びます。

自分の銀行口座情報を入力します。デフォルトでは、国の選択がイギリスになっており口座情報がイギリス特有のフォーマット(Swiftコード)になっていましたが、自分の口座の国を選べば自分の国のフォーマットになります。

全て入力し提出すると、添付のメッセージが現れます。24時間以内に受領確認の連絡をする、との記載です。

€250の申請結果

フライトの2日後に申請し、まずは申請受領のメールをすぐに受け取りました。フライトの10日後に補償承認のメール連絡を受け、再度銀行口座情報を送るよう指示があったので即日返信しました。その数日後(フライトの約2週間後)、無事€250が承認され、14日以内に振り込む旨メール連絡を受けました。

食事代、空港移動費の申請

Expense Claim form – easyJet (英語)

食費や空港移動費は、上記ページから申請していきます。€250の申請と同様の情報を入力していきます。

実費の分類を選び、レシートの写真やスキャンデータなどをアップロードしていきます。今回は「Meals & Refreshments」と、「Airport Transfer」を選び、食事のレシートと空港バスの乗車券(兼レシート)の写真をアップロードします。

申請すると、こちらも同様に提出後24時間以内に確認メールを送るとの案内が表示されます。

食事代、空港移動費の申請結果

こちらも即時クレーム受領のメールが自動送信されてきました。

その後、フライトの5日後に「空港移動費はOK、ただし食費はNG」との回答を受けました。しかしその理由に「食事はホテルで提供された」(実際は空港の待ち時間で食事をとっていた)などとよくわからない記載があったため、その後数回のメール交信で理由を確認していったところ、フライトの約2週間後、食事の払い戻しも承認された旨連絡を受けました。

まとめ

欧州フライト欠航時は、EU261法により航空会社が乗客に補償をするよう定められています。easyJetの場合はウェブサイトに補償申請フォームが用意されており、申請していくとすべてオンライン、メールのやり取りのみで既定の€250と食費、空港移動費の補填が認められました。

欠航に伴う代替移動で、easyJetの払い戻しを差し引いても約€70の実費負担がありましたが、今回の申請で、それを十分補填できる補償が認められました。easyJetに限らず、欧州のフライト欠航、遅延の場合の補償申請のご参考になれば幸いです。

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